サイテーションとは、企業名やサイト名、住所などが他のウェブサイトやソーシャルメディア上で言及されることや自ら言及することを指します。
具体的な例としては、SNS上で顧客が「このレストランの料理は絶品!特にステーキがおすすめです」とコメントすることや、ディレクトリ登録サイトに自社の住所や電話番号、社名を登録することが挙げられます。
サイテーションはリンク設置や難しい対策は必要ありません。単純に企業名やブランド名、商品名などが拡散されることによって、認知度の向上やブランド効果、SEO効果などが期待できます。
この記事では、サイテーションの概要や被リンクとの違い、そしてSEO効果についてなど、サイテーションに取り組む上で知っておきたい情報をまとめて解説しています。
サイテーションとは、企業名やサイト名、住所などが他のウェブサイトやソーシャルメディア上で言及されることや自ら言及することを指します。サイテーションには、「言及」「引用」という意味があります。特徴的なポイントは、運営者情報に言及するだけで良いということです。
- ブログであなたの企業名や製品名が取り上げられ、その詳細や特徴が言及される
- インフルエンサーのSNSであなたの商品が紹介され、その使用感や効果が述べられる
- レビューサイトにおいて、あなたの店舗名と住所が掲載され、ユーザーがその場所を訪れることを勧めるコメントがつく
- 旅行サイトの口コミページに、あなたのホテルの名称と評判が記載され、多くの人々がその宿泊施設に興味を持つ
- 自社の公式ウェブサイトやソーシャルメディアアカウントで、住所や連絡先などの詳細情報を公開する
サイテーションを行うと、運営母体に関連する情報が広まり、認知度の向上や間接的なSEO効果が期待できます。特に、新興企業や新商品の場合は、サイテーションを活用することでブランディング効果を高めることができます。
被リンクとサイテーションは、ウェブ上での施策方法や目的が異なります。
被リンクは外部のサイトから自身のサイトへのリンクを設置することを指します。被リンクの主な目的は、リンク元からの流入や被リンク数の獲得によるSEO対策です。質の高いサイトからの被リンクを獲得することで、Googleのランキング向上などの効果が期待されます。しかし、自作自演の被リンクはGoogleのガイドライン違反となり、ペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。
サイテーションは外部のサイトにリンクを設置する必要はありません。サイテーションは主に、店舗名やブランド名、住所などの情報に言及することで行われます。サイテーションの主な目的は、自社のブランディングや認知度向上、間接的なSEO効果やMEO対策などです。サイテーションは、運営者情報に言及することで成立し、本人でも第三者でも行うことができます。
被リンクとサイテーションの違いは、リンク設置の有無です。被リンクではリンク設置が必須であり、質の高い被リンクを獲得することでSEO対策につながります。一方、サイテーションではリンク設置は必要ありません。また、被リンクはリンク元のサイトにリンクを設置する必要がありますが、サイテーションは運営者情報に言及することで成立します。
被リンクとサイテーションの得られるメリットも異なります。被リンクはGoogleのランキングを左右する要素の1つとなります。質の高いサイトからの被リンクを獲得することで、SEO対策につながるとされています。一方、サイテーションはブランディングや認知度向上、間接的なSEO効果やMEO対策など、複合的な効果が期待されます。
被リンクはリンク設置が必須であり、質の高い被リンクを獲得することでSEO対策につながります。一方、サイテーションはリンク設置は不要で、ブランディングや認知度向上、間接的なSEO効果などの目的で活用されます。
サイテーションのSEO効果についてはGoogleから公式な言及はないが、間接的なSEO効果は期待できる。商品名やブランド名など運営者情報が広がると、今まで認知していなかった人にも情報が届く。その人たちが興味を持ち検索エンジンで社名や商品名を検索すると、検索順位の向上につながるだろう。
MEO(Map Engine Optimization)においてもサイテーションの効果があると言及されている。MEOは地域性を示すキーワードを入力した際の上位表示を狙う手法で、ローカルSEOとも呼ばれている。Googleは公式サイト内で、視認性の高さがMEOのランキングを左右すると明言している。視認性の高さとは、ビジネスが広く知られているかどうかを指し、サイテーションを通じて社名やブランド名、商品名が拡散されることは、MEO対策につながることが確かである。
サイテーションは間接的なSEO効果をもたらす可能性があり、ブランディングや認知度の向上、MEO対策に役立つことが示唆されています。したがって、サイテーションを積極的に取り入れることは推奨されます。
サイテーションの主な種類は以下の4つです。
企業名、個人名、店舗名、ブランド名、サイト名などが含まれます。具体的な固有名詞を使用して言及されることがサイテーションになります。
正確な住所や電話番号を含めることで、Googleからサイテーションとして認識されます。特に地域に特化した検索結果に結びつけるためには、適切な住所情報の拡散が重要です。
運営者情報に紐づくサービス名や商品名の言及もサイテーションに含まれます。これにより、商品やサービスの認知度や信頼性を向上させることができます。
リンク設置ができない場合でも、企業サイトや店舗のURLを記載することでサイテーションになります。特にSNSの本文や制約のあるブログなどでは、URLの記載が重要です。
これらの情報を正確かつ適切に記載することによって、サイテーションの効果を最大限に引き出すことができます。自社の名前や情報を積極的に拡散し、信頼性や認知度の向上を図りましょう。
サイテーションを獲得するための方法について説明します。
サイテーションを獲得するには、まずユーザーにサイト名やブランド名、店名などの名前を覚えてもらう必要があります。そのため、分かりやすい名前を検討しましょう。
- 他人も自分も読み書きしやすい名前にする
- 発音しやすい名前にする
- 短くて覚えやすい名前にする
- 既存の店舗名やサービス名、商品名と被らない名前にする
- ドメインが取得可能な名前にする
- コンセプトや目的に合致した名前にする
サイテーションを行うためには、まず認知度を上げることが重要です。
総務省の発表によれば、国内の約73%の人がSNSを利用しています。特に20代から40代では80%以上の人がSNSを利用しています。SNSは拡散力が高いため、サイテーションの情報を広めるために活用しましょう。自社のアカウントを作成し、社名やブランド名、住所や電話番号などを記載しましょう。投稿内容では、サイテーションの要素を使うように心がけましょう。また、SNS上での拡散力を高めるために、リツイートやいいねの数を増やすことも有効です。
広告を活用してブランド名や社名、商品名やサービス名を広めることも効果的です。リスティング広告やSNS広告、ネイティブ広告、タイアップ広告、雑誌広告などの手法があります。また、ディレクトリ登録サイトを活用することも有効です。業種や商品、サービスに応じて適切なディレクトリ登録サイトに登録しましょう。
顧客が満足できる体験を提供することは、サイテーションを獲得するために重要です。顧客が良い印象を持ち、喜んでくれるようなサービスや製品を提供することで、口コミや評価が生まれ、サイテーションの機会が増えるでしょう。以下の点に注意して顧客満足度を向上させましょう。
- 高品質な商品やサービスを提供する
- 丁寧な対応やコミュニケーションを行う
- 迅速な対応や納品を心掛ける
- 顧客の声に耳を傾け、改善点を取り入れる
- ユーザーフレンドリーなウェブサイトやアプリを提供する
- 快適な店舗環境やインフラを整える
サイテーションの機会を探すことも重要です。以下の方法を活用して、自社の情報を他のウェブサイトやメディアに掲載してもらえるようにしましょう。
- ローカルディレクトリや業界団体のウェブサイトに登録する
- インタビューや記事への登場を依頼する
- PR活動やメディアリリースを行う
- イベントやセミナーに参加し、自社の情報を発信する
- ブログやコンテンツマーケティングを活用し、他のウェブサイトからのリンクを獲得する
オンラインレビューサイトは、顧客の声や評価を公開する場として重要な役割を果たしています。自社の情報をオンラインレビューサイトに登録し、顧客からのレビューを収集することで、サイテーションの機会を増やすことができます。有名なオンラインレビューサイトに登録し、積極的に顧客にレビューを依頼することをおすすめします。
これらの方法を組み合わせて実施することで、サイテーションを獲得する機会を増やすことができます。ただし、サイテーションの質や量を重視するだけでなく、顧客満足度を向上させることも重要です。顧客の声に真摯に向き合い、継続的な改善を行うことで、良好な評判とともにサイテーションも増やすことができるでしょう。
サイテーションを測定する方法として、Googleでの検索、Google Search Consoleの利用、そしてYahoo!リアルタイム検索を使用する方法があります。
Google検索エンジンを使用してサイテーションを分析する方法です。以下の手順で行います。
- Googleで「”調べたい情報” -site:サイトURL」と入力します。ここで、「調べたい情報」には商品名やサービス名、サイト名など、サイテーションの要素となるキーワードを入力します。また、「サイトURL」には自社のウェブサイトのURLを指定します。
- 検索結果には、指定したサイトURLを除くサイトの名称を含む一覧が表示されます。これによって、自社の情報がどのようにサイテーションされているかを確認することができます。
例えば、「自社のサービス名」-site:自社サイトURL と検索すると、自社のサイトでのサービス名の言及を除いたサイトが表示されます。これにより、個人ブログやおすすめ記事など、第三者がどのように言及しているかを把握することができます。
Google Search Consoleは、Googleが無料で提供している分析ツールであり、サイテーションの分析にも役立ちます。
- サイテーションの分析をしたいURLでGoogle Search Consoleにアクセスします。
- 左側のメニューから「検索パフォーマンス」をクリックします。そこで、検索されているキーワードの一覧が表示されます。
これにより、ユーザーがどのような情報を把握しているのかを推測することができます。たとえば、ブランド名で検索される回数が多い場合は、そのブランド名が認知されていると言えます。ただし、この方法では検索されたキーワードの回数しか把握できず、サイテーションの獲得数ではないことに留意してください。
Yahoo!リアルタイム検索は、検索したキーワードに関連するTwitterのつぶやきを一覧表示する機能です。
- Yahoo!リアルタイム検索にアクセスし、調べたい単語(サービス名や店舗名、企業名など)を入力します。
- 入力した単語を含むTwitterのツイートが一覧表示されます。
これにより、サービスや商品、企業に関してどのような言及がなされているかを確認することができます。例えば、商品名を入力してリアルタイム検索を行うと、「○○を購入してみたけれど、思ったよりよかった」といったツイートを見ることができ、商品に対する意見や評判を把握することができます。
これにより、映画に関してどのような評価や感想がなされているかを確認することができます。例えば、映画のタイトルを入力してリアルタイム検索を行うと、「映画『○○』は感動的で心に残るストーリーだった」といったレビューを見ることができ、映画に対する評判や感想を把握することができます。また、映画の公式SNSアカウントをフォローして最新情報を得ることもできます。
以上の方法を使用して、サイテーションを測定することができます。ただし、これらの方法は正確なサイテーション数を把握するものではなく、あくまで目安として参考にするべきです。
第三者にサイテーションをしてもらう際に知っておくべき注意点を紹介します。
第三者によるサイテーションは、通常ポジティブやネガティブな感情を伴うことが多いです。第三者が店舗名、サービス名、商品名などを引用する場合、何らかの感情や目的が関与していることが少なくありません。
SNSや口コミサイトなどで「この映画やサービスは良かったから知って欲しい」「このサービスには気を付けて欲しい」といった思いを持ち、情報を発信します。
Googleはポジティブなサイテーションを評価しているため、第三者にポジティブな感情を持って情報を発信してもらうためには、サービスや商品、体験の提供において扱いやすさを考慮する必要があります。
ネガティブなサイテーションが見つかった場合でも、明らかに悪意があるものでない限り、企業や店舗は削除することができません。さらに、他の第三者がネガティブなサイテーションを見た際に不信感や不安を抱く可能性もあります。
第三者にサイテーションしてもらうためには、引用や言及したくなる情報を発信する必要があります。SNSやコンテンツで情報を発信する際は、引用や言及したくなるような内容を意識しましょう。
たとえば、企業が新しいイベントを開催する場合にも、具体的な情報を伴うことで引用や言及がしやすくなります。例えば、「来週開催される「○○フェスティバル」では、豪華ゲストアーティストのライブパフォーマンスやフードトラックの出店、ワークショップなど盛りだくさんの内容をご用意しています。ぜひ皆さんもお越しください!」と具体的なプログラムや参加案内を含めた告知をすることで、イベントに関心を持ってもらいやすくなります。また、イベントのポスターやイメージ画像を添付することで、視覚的な情報も伝えることができます。
こうすることで、サイテーションされやすくなるでしょう。優れた商品やサービス、体験の提供に加えて、発信する情報の質にも注意し、情報を拡散しやすい基盤を構築しましょう。
この記事を通じて、サイテーションとは企業名やサイト名、住所などが他のサイトやSNSに書かれることや自ら言及することを指すことを学びました。また、サイテーションと被リンクの違いやそれぞれの目的について解説しました。
サイテーションのSEO効果については、Googleは正確には言及していませんが、間接的なSEO効果が期待できることがわかりました。また、サイテーションのMEO効果については、Googleが公式サイトで言及し、特にローカルSEOでのランキングに影響を与える要素として重要であることが明らかになりました。
さらに、サイテーションの主な種類や獲得方法、測定方法についても学びました。具体的な手法としては、分かりやすい名前にする、SNSや広告を活用する、満足度の高い体験を提供する、構造化マークアップを行うなどが挙げられます。
最後に、第三者にサイテーションをしてもらう際の注意点として、ポジティブなサイテーションを促す工夫や引用や言及したくなる情報を発信することが大切です。これらの知識を活かし、サイテーションを正しく理解し、目的に応じて活用してください。