Webページの表示速度は、URLにアクセスしてからブラウザで完全に表示されるまでの時間を指します。
表示速度はSEOの評価において非常に重要な要素であり、遅い表示速度を持つサイトは高速なサイトに比べて、SEOの評価が低下する可能性があります。
この記事では、以下のような疑問を持つ方々に向けて、ページの表示速度について詳しく解説しています。
- 「どのようにしてページの表示速度を確認するのか?」
- 「ページの表示速度を改善するための対策とは?」
ページの表示速度に悩んでいる方々は、ぜひこの記事を参考にして、自身のウェブサイトの改善に役立ててください。
ページの表示速度とは、ユーザーの利便性に直結する非常に重要な要素です。
Googleはユーザーファーストのアプローチを取っており、ユーザーにとって利便性の高いサイトを上位表示させることを目指しています。
ユーザーはページの表示速度が遅いと、ページを閲覧するまでに待たされるため、イライラやストレスを感じることがあります。
そのため、SEOの観点からもページ表示速度の最適化が重要視されています。
例えば、同じコンテンツを持つ複数のサイトがあった場合、ページ表示速度が速く利便性の高いサイトが上位に表示される傾向があります。
この重要性を裏付けるため、Googleは公式に以下の発表や取り組みを行っています。
- ウェブマスター向けガイドラインにおいて、ページの表示速度の重要性を強調しています。
- “Speed Update”と呼ばれるアルゴリズムの導入により、ページ表示速度がランキングに影響を与えることが明言されています。
- Googleは独自の研究データに基づき、ページの表示速度がユーザーエクスペリエンスやコンバージョン率に与える影響を評価しています。
これらの公式見解や取り組みからも、ページの表示速度がSEOにおいて重要であることが示されています。ユーザーの利便性を向上させ、Googleの基準に合致する高品質なサイトを作るために、ページ表示速度の最適化に取り組むことが重要です。
Googleは公式に発表している「ウェブマスター向けガイドライン」の中で、ページ表示速度の改善を推奨しています。
ガイドラインの「訪問者がページを利用しやすいよう手助けする」セクションでは、以下のように述べられています。
「ページの読み込み時間を最適化します。表示の速いサイトはユーザーの満足度を高め、ウェブ全体の質を向上させます(特にインターネット接続速度が遅い場合)」。
このガイドラインによれば、ページの表示速度が速いサイトはユーザーの満足度を高め、ウェブ全体の品質を向上させる効果があるとされています。特に、インターネット接続速度が遅い場合には顕著な効果が期待されます。
逆に言えば、ページの表示速度が遅いサイトはユーザーの満足度を低下させるため、SEO上でも評価を得にくくなる可能性があります。
以上のように、Googleのウェブマスター向けガイドラインにおいても、ページ表示速度の最適化が重要であることが明示されています。ユーザー体験の向上と共に、SEOの観点からもページ表示速度の改善に取り組むことが求められています。
Googleは、特にスマートフォンでのページ表示速度が最適化されたサイトを評価するためのアルゴリズムのアップデートを行っています。
2018年7月に発表された「Speed Update」では、モバイル検索の順位要素としてページ表示速度が使用されることが明示されました。
このアップデートにより、ページ表示速度が最適化されたサイトは評価されやすくなります。
実際のデータによれば、検索のうちPCでの検索が35%であるのに対し、スマートフォンでの検索は64%に上ることがわかっています。
そのため、ページ表示速度の対策を行う際には、スマートフォンの表示速度を重視することがおすすめされています。
このように、Googleはモバイル検索におけるページ表示速度を重要な要素と位置付けており、Speed Updateを通じてその評価基準を明確化しています。ユーザーがスマートフォンを使用してウェブ検索を行う割合が増えていることを考慮すると、モバイルフレンドリーで速いページを提供することがSEO上でも重要な要素となっています。
Googleは、読み込み速度の遅さがユーザーに与える影響に関する研究データも公表しています。
2017年の研究結果によれば、「モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかる場合、訪問したユーザーの53%が閲覧を中断し、離脱してしまう」というデータが示されています。
これは、ページの読み込み速度が遅いとユーザーの離脱率が高まることを意味しています。
そのため、ページ表示速度を最適化する際には、3秒以内を目安にすることが推奨されています。
このデータは、SEO対策を行う上でも重要な指標として考慮されることが多く、ユーザーが快適なウェブ体験を得るためにも重要な情報です。
ページの表示速度をチェックするために、Googleが提供する2つの無料ツールがあります。
- Google PageSpeed Insights(ページスピードインサイト) Google PageSpeed Insightsは、特定のURLの表示速度を分析し、改善のための提案を提供してくれます。ページの読み込み速度やパフォーマンスの問題を特定し、モバイルとデスクトップの両方の観点から評価します。サイトのURLを入力するだけで簡単に結果を取得できます。
- Google Analytics(アナリティクス) Google Analyticsは、サイトのトラフィックやユーザーの行動を分析するための総合的なツールですが、ページの表示速度も監視することができます。速度レポートを確認することで、特定のページやデバイスごとの読み込み時間を把握し、改善のための手掛かりを得ることができます。
これらのツールを使用することで、ページの表示速度を評価し、改善すべきポイントを特定することができます。それにより、ユーザーエクスペリエンスの向上とSEOの最適化につなげることができます。
Google PageSpeed Insightsは、URLを入力するだけで、モバイルとPCの両方のページパフォーマンスを測定してくれる便利なツールです。
以下の手順で利用できます:
- ツールにアクセスし、URLを入力します。
- 「分析」ボタンをクリックします。
- 分析が開始され、ページ表示速度に関するスコアや改善案が提供されます。
PageSpeed Insightsは、0から100のスコアでページのパフォーマンスを評価します。また、表示速度に悪影響を与えている要因や改善方法も具体的に示してくれます。
測定結果は時間や条件によって異なる場合があるため、同じページで複数回測定することをおすすめします。
スコアが50未満の場合は「遅い」と判断されます。90以上のスコアは「速い」と言えますが、最初は70以上を目指すことをおすすめします。
特に赤字で表示されている指標は、表示速度に悪影響を与えている可能性があります。赤字の項目から優先的に改善に取り組み、スコアの向上を目指しましょう。
Google Analytics(アナリティクス)は、アクセス解析ツールの一つであり、ページの表示速度を調べることも可能です。
Google Analyticsでは、ページ表示速度は「読み込み時間」と表示されます。これは実際にユーザーがURLにアクセスしてからページが表示されるまでの時間を計測したデータです。
以下の手順でページ表示速度を確認できます:
- 左メニューの「行動」→「サイトの速度」→「概要」を選択します。
- サイト全体の平均読み込み時間を確認できます。
また、ページ別の読み込み時間は「行動」→「サイトの速度」→「ページ速度」で確認できます。サイト平均と比較して遅い場合は赤色、早い場合は緑色で表示されます。
さらに、「行動」→「サイトの速度」→「速度についての提案」では、前述したGoogle PageSpeed Insightsの改善提案とスコアもチェックできます。
Google Analyticsを使用すると、URLを入力して分析する手間が省けるため、Google Analyticsのアカウントを持っている場合はこの方法が便利です。
ページ表示速度を改善とは、Google PageSpeed InsightsやGoogle Analytics(アナリティクス)で速度改善が必要なページを見つけた後、具体的な改修を行う必要があります。
以下に、サイト全体の表示速度を高めるための改善策を紹介します。具体的な原因によって対策は異なりますので、それぞれの項目を適用してください。
- ブラウザのキャッシュ活用: ユーザーのブラウザに一度読み込んだファイルをキャッシュとして保存し、再度アクセスした際にはサーバーからの読み込みを省略します。これにより、ページの読み込み時間を短縮できます。
- ソースコードの軽量化: 不要なスペースやコメント、改行を削除するなど、HTML、CSS、JavaScriptなどのソースコードを最適化します。これにより、ファイルサイズを軽くし、読み込み時間を短縮します。
- 画像の最適化: 画像のフォーマットを適切に選び、圧縮やサイズ調整を行います。また、Lazy Loadと呼ばれる手法を使用して、画像の読み込みを遅延させることで初期表示の高速化を図ります。
- AMPの実装: AMP(Accelerated Mobile Pages)は、モバイルページの高速化を促すための技術です。AMPを実装することで、モバイル端末での表示速度を飛躍的に向上させることができます。
これらの対策にはフロントエンドやバックエンドのエンジニアリング知識が必要ですが、それぞれの項目について詳しく解説している情報も多くありますので、ぜひ参考にしてください。
ブラウザのキャッシュ活用とは、ページ表示速度の改善に役立つ方法です。
ブラウザキャッシュとは、アクセスしたサイトのデータを一時的にブラウザに保存する技術のことです。
キャッシュを活用することで、同じページに再度アクセスした際に、サーバーからデータを再ダウンロードする必要がなくなります。そのため、ページの読み込み速度が向上します。
特に大容量の画像などがページ内にある場合や再訪者が多いサイトでは、キャッシュを使うことで無駄な読み込みを防ぐことができます。
ブラウザキャッシュの有効期限は、指定することができます。通常は期限切れとして扱われ、データが更新された場合にのみ再ダウンロードされます。
キャッシュの有効期限を設定する方法として、「.htaccessファイル」を使用することがあります。このファイルに有効期限を記述することで、不要な通信を減らし、ページ表示速度を改善できます。
ただし、更新頻度が高いページやファイルのキャッシュ期間を長く設定してしまうと、最新の情報が表示されない可能性があります。そのため、容量の大きい画像ファイルなどはキャッシュの有効期限を長く、更新頻度の高いテキストファイルなどは短く設定することが重要です。
注意してキャッシュの設定を行い、ページ表示速度の改善に役立てましょう。
ソースコードの軽量化は、HTML、JavaScript、CSSなどのコードに含まれる余分な改行やスペースなどを削除し、ファイルサイズを小さくすることでページの表示速度を改善する方法です。
コードが長い場合や改行やスペースが多い場合は、ファイルのサイズが増えてしまい、ページの読み込み速度が低下する可能性があります。
たとえば、不要なコメントアウトや使用していないコード、ページの表示に影響しない空白や改行などがコードに含まれている場合は、それらを削除して軽量化することが重要です。
ただし、どの部分が不要なのかを見つけるのは難しい場合もあります。
そのような場合は、インターネット上で利用できる無料のツールを使用することをおすすめします。これらのツールは、自動的にソースコードを圧縮して軽量化してくれます。
ツールにソースコードを入力するだけで、圧縮されたコードが提供されるため、手動でコードを修正する手間を省くことができます。
ソースコードの軽量化は、ページの表示速度を向上させるために重要な手法の一つです。適切なツールを活用して効果的に軽量化を行いましょう。
画像の最適化とは、表示速度を改善するために重要な手法です。以下に最適化のポイントをまとめました。
- 適切なファイルフォーマットを選ぶ: 画像の保存にはPNG、JPEG、GIF、SVGなどのフォーマットがあります。使用する画像の内容や用途に応じて適切なフォーマットを選びましょう。一般的にはJPEGが写真などのカラー画像に、PNGが透明度や図形が多い場合に適しています。
- 画像のリサイズを行う: 表示サイズよりも大きな画像を使用すると、不要なデータをダウンロードしてしまい表示速度が遅くなります。画像の表示サイズに合わせてリサイズを行い、必要最低限の画像データをダウンロードするようにしましょう。
- 画像圧縮を行う: 画像ファイルの容量を減らすために、画像圧縮を行いましょう。オンラインツールや画像編集ソフトウェアを使用して、圧縮率を調整しながら画像の品質を損なわないようにしましょう。
- Lazy Loadの実装: ページに表示される画像が多い場合、すべての画像を一度に読み込むと表示速度が低下します。Lazy Loadと呼ばれる手法を使用して、画像の読み込みを必要なタイミングに遅延させることで、初期表示の高速化を図ることができます。
画像はファイルサイズが大きく、ページの表示速度に大きな影響を与える要素です。適切なファイルフォーマットの選択、リサイズ、圧縮、Lazy Loadの実装などを通じて、効果的に画像の最適化を行いましょう。
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは、モバイル端末でのWebページ表示を高速化するためのプロジェクトやフレームワークです。
通常、Webページへのアクセスでは、サーバーへのリクエスト、ファイルの受け取り、レンダリング、そしてページ表示といったステップが必要です。特にリクエストからレンダリングまでの時間が長くかかることがあり、ページの表示速度に影響を与えます。
しかし、AMP対応ページでは、GoogleやTwitterなどのプラットフォームでページの情報をキャッシュとして保存できます。そのため、サーバーへのリクエストの手続きを削減することができます。
ユーザーが検索結果や他のウェブページからリンクをクリックした際に、直接Webページの情報を表示することができるため、表示速度が大幅に改善されます。
特にモバイル端末からのアクセスが多いウェブページやサイトでは、AMPの実装を検討することをおすすめします。それにより、ユーザーエクスペリエンスの向上やコンテンツの素早い提供が可能となります。
ページの表示速度は重要な要素であり、Googleのガイドラインにも示されています。SEOの観点からも注目されており、Google PageSpeed InsightsやGoogle Analytics(アナリティクス)で確認できます。
表示速度を改善するためには、ブラウザのキャッシュ活用、ソースコードの軽量化、画像の最適化、そしてAMPの実装などが効果的です。
ページの表示速度の改善はユーザビリティの向上に繋がり、サイト内のコンバージョン率(CVR)の向上にも寄与する可能性があります。
したがって、表示速度が遅い場合は優先的に改善することが重要です。